『人間中心デザイン②(10月14日 2/2 主にKA法のワークショップ)』 人間中心デザインプログラム/産業技術大学院大学/2017年
2017年の産業技術大学院大学、人間中心デザインを受講しています。
主に自分の復習のために、ここに記録していきます。
※自分にとって重要そうだったところを、自分の視点でまとめていきますので、必ずしも先生の話に忠実でなく、また網羅性もないことにご注意ください。
●ワークショップを始めるにあたり
- 準備運動。付箋に「あ」をたくさん書く練習をしましょう
- ポストイットは「くるっ」ってならないように、横から剥がしましょう。
- サインペンを使って、大きく遠くからでも見れるように、丁寧に書きましょう
- 議論はせずにワークしましょう。とにかく手を動かす。書く!
- 思ったことはポストイットに書いて壁に貼りましょう。アイデアを自分のものでなく、外に出しましょう
- 行き詰まったら立ったり座ったりしましょう。さらに、休憩で気分転換しましょう
●そもそも、ワークショップを行いモデル化していくことの目的
調査結果をインプットとして、ユーザー体験のモデル化および体験価値の探索を行う。
→調査結果をどのように成果物につなげるのかが「デザインの本質的課題」。
UXデザインでは、この課題をクリアするために調査結果からユーザーモデルを作る。
●体験価値に基づいたUXデザイン、の考え方
ユーザーモデリングの三階層はUXデザインの基本発想
「価値層→行為層→属性層」
デザインを行うために、あえて文脈を分断する
そのことで、実現したい価値、つまり本質的ニーズが見えてくる。
ある文脈での行為をもとに、ユーザーの体験価値を見出す。
その体験価値に基づいて、新しいコンテキストを作る
※ちなみに、ペルソナ→属性層、CJM→行為層
●考える順番
まずはユーザー調査をする。
↓
価値層:価値マップ
↓
属性層:ペルソナ
↓
行為層:ジャーニーマップ
※ジャーニーマップは時間軸でマトリクスであることに意味がある。抜け漏れをなくせる
※ジャーニーマップは捏造されがち。でも、捏造するくらいならないほうがマシ。
●体験価値のイメージ
多くのユーザーの「最大公約数」としての生活価値/ニーズの発見
●フォトエッセイ
※今回、KA法を実施するにあたり、調査データとしてフォトエッセイを使った。
→フォトエッセイはいつ使うのか。
調査の予算が少ない/BtoC/新しいことを探したい/インタビューを使わずに事前に準備をしてもらえる/ラフな方法/価値観を上手にあぶりだすことができる
例:一人の人が、本をすごくきれいにしている本棚の写真と机の上がすごく汚い写真をとってくる。インタビューだけではあぶりだせない姿。
※インタビューと比較して優れている点
・インタビューは単線的で一面的になりがち
・ストーリーを都合よく作り勝ち
→A(できていること)、B(できていないこと)を作ることで本質が見えてくる
●KA法とは…(浅田和美さんが開発した手法)
「行為の背後にある価値」を紡ぎだす
具体的なやり方。
1.インタビュー結果を題材にしてカードを記入する
①出来事:インタビューの中で象徴的な出来事
②心の声:その人になりきって、心の声を想像して書く
③価値:心の声に基づいて、その人にとっての価値を書く(Bパターンの場合は心の声を裏返す)
※価値の書き方の例
×時計がかっこいい価値
○他の人に見せびらかす価値
○自分が成長したと実感する価値
→手軽、簡単、便利、安心、安全、など普遍すぎる言葉は使わない。普通すぎて面白くない。新しい発見が無い。
※カードは20枚以上必要。価値をあぶりだすためには。
※インタビューによっては一人分から20枚以上作ることもできる。
※カードの書き方のコツ
- 心の声が思いつかないときはあきらめる。他の人に回す
- 心の声は生々しく「だよねぇ」とかにする
- 心の声をうまく書くには、カード記入者の属性が近いほうがよい
2.完成した価値カードを、価値の部分に注目してKJ法で並べていく。
→ポイント
- 一人のユーザーの中にこの価値が含まれている、宿っていると信じてマップを作る
- 一人のユーザーの現実として理解する。「ユーザーが何を考えているのか」の仮説の発見作業
- 既にある考え方に当てはめて考えちゃうと、つまんないよ
3.KJ法で作成したグループをさらに並べ替えて、グループ同士の関係性を見出す
→ポイント:グループ同士の関係性を言語化・可視化し、価値同士がどうつながっているのか。一人の人の頭の中がどうなっているのか、を組み立てて作り上げる。