『人間中心デザイン①(10月13日)』 人間中心デザインプログラム/産業技術大学院大学/2017年
2017年の産業技術大学院大学、人間中心デザインを受講しています。
主に自分の復習のために、ここに記録していきます。
※自分にとって重要そうだったところを、自分の視点でまとめていきますので、必ずしも先生の話に忠実でなく、また網羅性もないことにご注意ください。
●前回の復習
UXデザインにとっては仕組みが大切。
→5000人の名前を覚えるドアマンを探すのではなく、普通のドアマンがその日に来るVIPの顔を覚えられる仕組みを作ろう
●HCDにとってのユーザーの分類(駅の券売機で考える)
HCDでは3種類のユーザーを想定する
- 直接ユーザー
-1次ユーザー/一般客
-2次ユーザー/駅員やメンテナンス担当 - 間接ユーザー/鉄道会社のマネージャー
どんなユーザーがいるのか
- 特性:年齢/性別…など
- 志向性:文化/宗教…など
- 多様性:精神状態/経済状態/物理的な状態…など
●UXの基本のフレームワーク/ハッセンツァールモデル
→UXデザイナーとユーザーそれぞれの視点/コントロールできる範囲が異なる
※以下、11ページ参照
●UXを捉える視点
- UXは主観的な評価である
- 消費者とユーザーの連続性に気をつける(ユーザーは商品を買う前からユーザーである)
- 時間軸を忘れない(予期的/瞬間的/エピソード的/累積的)
●UX白書におけるUXモデルの重要性
- UXの評価は期間の切り方によって異なる。色々な視点で見ていこう。
- 「意欲」という観点でユーザーを捉えて、製品・サービスの利用体験まで導いていく発想
●SEPIAモデル
その商品に対する製品関与(PI/Product Involvement/その人のその製品に対する情熱)と、自己効力感(SE/Self Efficacy/その製品に対する自分できる感)の2軸でユーザーを分類する。
※またこのスライド登場。24ページ参照。
- SE/PI=高/高 マニアユーザー/エクストリームユーザー
- SE/PI=高/低 冷静・合理的ユーザー/他人事・第三者視点で製品を評価しがち
- SE/PI=低/高 期待先行ユーザー/製品使いたいけど使えない。重要な示唆が得られやすい
- SE/PI=低/低 ミニマム利用ユーザー
※SEPIAモデルを活用するポイント
- プロットして終わり、ではなく、彼らを次のブロックに動かしていくにはどうしたらいいのかを考える。
- マーケティング・リサーチ会社によるアサインだと、2の人が出てきがち。客観的な感想を言いがちなので注意する。
- 満足と不満足は連続しない。アンケートで「満足」と答える人にも、聞けば必ず「不満足」な点がたくさん出てくる
- SEPIAモデルを使って、それぞれのカテゴリでペルソナを作るのもあり
- インタビュー時に、それぞれの象限をバランス良く聞いていくのも重要
Q.これから開発する商品にもこのモデルは適用できるか
A.できる。類似商品について聞いたり、仮に聞いたり、などで聞くことができる
●「体験価値」の重要性
この商品はユーザーにどのような体験価値を提供しているのかをまず考えることが重要
※体験価値…自分の好きなものを他人におすすめする時にどのような表現をするか
体験価値:親族でお正月に写真を取って、その場ですぐにみんなで見たい
↑
経験的価値:スマホで写真を取って印刷したい
↑
累積的UX:毎年実行する/このやり方はいい
↑
利用体験:スマホとプリンターを連携して写真を印刷する
※インタビューで「体験価値」を抽出できるようにすると良いかもしれない
※これは製品やサービスを開発する場合の話…?
●体験価値を考えるミニワークショップ
自分のおすすめの商品を他人に伝えるワークショップ
※アレンジパターン例
- とある第三者の商品の宣伝を考えてみる(マーケティング的な視点で)
- 自分のおすすめの商品の「体験価値」を出してみる
- 1と2の違いを比べる →こんなに違う!
- もう一度1について考え直してみる
●利用文脈/利用状況/Context of Use
Contextを日本語にすると?
↓
状況、かなぁ
↓
じゃあ状況を英語にすると?
↓
…Situation
↓
(;´゚д゚`)エエー. Σ(´∀`;)
「状況」という言葉では時間的な前後関係やその人の様々な背景などが反映されない感じ。なので文脈という日本語が使われる。(どっちでもいいけど)
利用文脈はUXデザインにとって超重要/HCDプロセスの一番最初
利用文脈を知るには、観察とインタビューしかない!!
●WEBにおけるコンテキスト
→WEBサイト内の行動だけでなく、生活世界におけるコンテキストを把握し、デザインしよう!
●アップルフォトストリームのCMの事例
- 体験価値やシーンをきちんと訴求している
- 音声では価値(バリューシナリオ)、映像では操作方法(インタラクションシナリオ)。一つのCMに2つのメッセージを入れている。
●ソニーの新しいリモコンの事例
見た目のデザインは悪いけど、シーンを理解できればイケている製品になる。
文脈無しでは製品を評価することはできない。逆に、シーンや文脈をきちんと伝えることが重要。
●ユーザビリティ/利用品質(Quality in Use)
- Goods Dominant Logic/G-Dロジック
- Service Dominant Logic/S-Dロジック
ユーザービリティ→人工物の使いやすさのレベル
- ある利用状況の下で指定された目的を達成する
- 目標達成のための有効/効率を測る
- 逆に、目標が明確でないとユーザービリティの設定も難しい →Snow、ゲームなど
ユーザービリティの基準
- 有効さ:目標が達成されたかどうか
- 効率:目標達成までの時間的、精神的なコスト
- 満足度:このプロセスに満足したかどうか
例:ATMでの七十七銀行への振込はそもそも有効さがゼロになるかもしれない